私の「イロハ」19.「ツ」恙無し

今のところそれほど寒くなく、まだ薪ストーブを炊かないでいる。でもボチボチ煙突掃除をしようと思う。

 あらたまった手紙などで「恙無くお過ごしですか?」と書く「恙無く」、あるいは歌「ふるさと」で「恙なしや友がき」などの「恙無し」はあまり日常では使わない言葉ではあるが、今年に関しては「恙無くお過ごしですか」と言えない状況になっている。コロナ禍で世界中が騒ぎ出して一年になる。これから先、いつ治るのか分からないし、2020年はビクビクしながら年末を送ることになりそうだ。

 日頃、音信のない人、あの人どうしてるかな?この人どんな暮らしをしてるのだろう?と想いを馳せる時、例えば昔から、「あの人は同じ月を見ているのだろうか?」など、同時性は想う対象を身近に引き寄せることができるように思える。現代ではテレビやラジオの共時のツールがあって遠くにいて同じものを見ていたり、聞いていたりできたり、(チャットやスカイプのように双方が意識的に据える道具は別にして)漠然とした共時性はあったが、今年ほど濃厚に、世界中の人たちが一点「コロナ」を介して、あるいは同じ事柄に意識を向けている状況は歴史上初めてのことかもしれない。「コンテンポラリー」、芸術の世界では「同時代の芸術」(Contemporary −art )=「現代美術」、con 共通ーtemporary 時代、の如く、世界が同じ時間を共有する(し得る)時代ならではの「現代」なのだろうが、過去に「モダンアート」「前衛(アヴァンギャルド)」「ヌーヴェルヴァーグ」「アート・ナウ」などそれぞれの時代の現代性(現在性)への命名はあるが、2020年はまさに「コンテンポラリー」などと呼べる、今、共通の現象である。

 歌「ふるさと」にあるように同郷、同窓への想いは、みんなで歌えば共有する心の底の熱い想いとして、蘇る。

しかし、2020年のこの共通の想いは今後、何をもたらすのだろうか?

この一年で時代精神が大きく変わろうとしている。働き方の変化、生活様式の変化、人との接し方や社会のあり方、ことさら経済活動の変化。私事でも、外出の機会を減らして、訪問者も減った。町内会の行事も半減して、あっても簡素化された。その分、家の中での活動が増えた。大工仕事、畑仕事、作画、読書(プルーストの「失われた時を求めて」再挑戦)、カラオケで歌わなくなった分、ピアノの練習。とにかく忙しい。しかし、コロナ禍はヒタヒタと迫っている感じもある。日々の報道だけでなく、むしろ報道内容が正確でない分、不信感と不安が拡がる。人伝に隣の町の感染者の情報が聞こえてくる。報道ではほとんど伝えない。

 ギリシャ神話に牧神のパンという半人半獣の神さんがいる。生まれた時に「全て」という意味の「パン」と命名された。今のコロナ世界感染パンデミックのパン、その恐怖にパニクっている(panic )のパン、いずれも牧神パンが語源らしい。

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ドビュッシーの曲に「牧神の午後への前奏曲」がある。

https://youtu.be/j6_hBi_sM6Y

牧歌的な優しいイメージのパンは、時々発する声が凄まじいらしく、それを聞いた羊たちはビックリして右往左往するらしい。それをパニックと言うそうだ。

 

「つつがない」の由来
「恙」(つつが)はもともと「病気」や「災難」という意味であり、それがない状態を指す言葉として「つつがなし」という形容詞が生まれたらしい。 ... 後世になってからある病気がダニの一種による感染症(ツツガムシ病)で起こることが発見され、そこから逆にこのダニがツツガムシと命名されたものである、という。へー?ホントかいな。

 因みに「ツツガムシ病」とは?

  国立感染症研究所によれば

(IDWR 2002年第13号掲載)

 ツツガムシ病はOrientia tsutsugamushi を起因菌とするリケッチア症であり、ダニの一種ツツガムシによって媒介される。患者は、汚染地域の草むらなどで、有毒ダニの幼虫に吸着され感染する。発生 はダニの幼虫の活動時期と密接に関係するため、季節により消長がみられる。また、かつては山形県秋田県新潟県などで夏季に河川敷で感染する風土病で あったが(古典型)、戦後新型ツツガ虫病の出現により北海道、沖縄など一部の地域を除いて全国で発生がみられるようになった。

 

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ダニはどこにでもいるらしく、多分、イエダニに時々やられていると思う。種類によっては有毒のものもいて、とんでもないことになるとも聞くが、パンチの強さはダニよりもムカデやハチ(蜂の季節は過ぎた)の方が怖い。

 深まる秋を心穏やかに過ごすように、ここのところ聴いている曲がある。

https://youtu.be/GIQZgSLXNqU