私の「イロハ」26.「ノ」脳

「脳」。人間の思考や精神作用(心)が脳と言う器官でされていると考えるようになったのはそんなに古い話ではないらしい。古代ギリシャアリストテレスは、心(精神)の場として心臓を考えていたという。また医学の祖ヒポクラテスは感覚器と脳がつながっていることから、視覚、聴覚などの感覚や、喜怒哀楽などの感情、さらに思考や判断などの精神活動の場は脳にあると考えていた。17世紀、デカルトスピノザたちが「精神」「心」と「身体」の二元論で科学技術と「精神」を引き離したので科学革命が起こったと言われているが、感情や思考を精神作用の枠組みに入れて「身体」と切り離し、その後(19世紀)ジークムント・フロイトは無意識の研究を深め「脳の働き」の入り口に至ったように思う。そして現在、人の心の場所が脳であると言うのが定説となっている。 

「脳」という器官は神経医学的には「ニューロン」と言う神経細胞の集合体で、最近では脳の各部位でそれぞれ反応の種類で受け持つ刺激が特化していて、それを図像化する(色が変わるなど)のをよく見かける。このように見せられると「なる程」と脳の働きを理解できたように思ってしまうが、私はあまり納得できない。ひと頃、「右脳」「左脳」についての本も沢山出て、幾冊か興味本位で読んだことがあった。「左脳」は言語脳で「右脳」は空間や音楽を司っているとか、人種によってその使い方が違っていたり、「右脳」と「左脳」を「脳梁」と言う橋があって繋がっていて、女性と男性では平均的な太さが異なっていて女性の方が太いとか、などの話だったように記憶している。

医学の門外漢にも、セロトニンドーパミンなどの言葉が耳に入ってきて、神経情報伝達物質があると言うことは素人にも知られるようになった。会話の中でも「チョット、アドレナリン出過ぎとちゃうか」とか、「セロトニンが減って鬱になるよ」など俄医師になったりするくらい「心」の変化には敏感である。

f:id:AchiM:20210102104924j:image

f:id:AchiM:20210102111115j:image

最近、人の名前がすぐ出てこなかったり、さっき使っていたものがどこに行ったか分からなくなり探し回ったり、物忘れがひどくなったなあ、と自分の年齢を考えれば仕方ないかとも半分諦めもするが、認知症などの例を身近で聞くこともあり、老人の介護問題とも合わせて一つの社会問題にもなっている。もうすぐ運転免許更新があり、先だって後期高齢者の講習(テスト)をドキドキしながら受けたが、目の動体視力検査、記憶・判断テストも何とかパスできたが、これから先の日常の自動車運転には、特に咄嗟の判断には不安はある。高齢者の交通事故が多くニュースで流されるせいもあるが、実際、若い頃のようには行かなくなっている。「脳」判断力も「身体」筋肉のように衰えているのだ。

 健康を維持するために、ジョギングや散歩する人は老若、近所にもいて、毎日、山を超え隣の町まで歩いている私より高齢の人もいる。

「歩くこと」が脳に良いと言う、医学的な見地もあるが、昔、古代ギリシャに「逍遥学派」と言うのがあったらしく哲学者の学校が歩きながら講義をしていたと言う。その名前を借用したのかどうか、日本の明治時代、坪内逍遥という小説家がいたなあ。受験時代に覚えた「当世書生気質」が記憶にあるが読んだことはない。

f:id:AchiM:20210103104658j:image

古代ギリシャの「逍遥学派」はアリストテレスが創設したと言われているが、元々はプラトンソクラテスアカデメイアがルーツだそうだ。回廊をぞろぞろ歩きながら「真」とは何か、「善」とは、「美」とは、など言葉を投げ合っていたのだろうか?

 今、私は、犬に引っ張られながら、カラスに「アホー・アホー」と言われたり、トンビがクルクル雲の間を舞っていたり、とりわけ夕陽が綺麗かったり、池の水面を鴨が群れていたり、鷺が獨りそれをみながらジッと思索しているようだったり、日々の少しずつの空気や色の変化を感じながら歩くのは幸せな時間かもしれない。

f:id:AchiM:20210103104937j:image

f:id:AchiM:20210103105236j:image

f:id:AchiM:20210103105440j:image

 

 

脳のことをアレコレ思いを巡らしていると、facebook の中のコマーシャルで「脳を司る脳」講談社ブルーバックスが目に飛び込んできた。

その内容の紹介は

 

脳のはたらきは、ニューロンが担っている――この常識が覆されようとしている。脳の中には、知られざる「すきま」があり、そこを舞台に、様々な脳活動が繰り広げられていたのだ。 心のはたらき、知性、ひらめき……ニューロンだけではわからなかった、「人間らしさ」を生み出す、知られざる脳の正体とは。 詳細はこちら→ https://kcx.jp/brctrlbr

【本書の内容】
◎ 寝ている間に流れる「水」が脳内を掃除している
認知症と脳を流れる水、睡眠の意外な関係
◎ 脳の若さの秘訣は「すきま」にあった!?
◎ 脳の「すきま」に拡散する物質が気分を決める
◎ ワイヤレス伝送のような脳の信号伝達があった!
◎ 電気を流すと頭が良くなる? 神経回路がシンプルな人ほどIQが高い?
◎ 知性やひらめきと関係する「もう一つの脳細胞」
脳科学から考える、脳を健康に保つ方法 ……など

■ 著者のことば......喜怒哀楽などの「こころのはたらき」の中には、ニューロンのはたらきのだけでは説明がつかない現象が数多く存在します。脳のニューロン以外の要素にその謎を解き明かす鍵があるのではないかと、注目されているのです。じつは、これまで重要視されていなかった「ニューロン以外の脳」が、脳の大切なはたらきを司っている可能性があるのです。本書を読み終えた頃には、すっかりこれまでとは脳の見方が変わっていることでしょう。(本文より)

『脳を司る「脳」 最新研究で見えてきた、驚くべき脳のはたらき』 著:毛内 拡 (講談社ブルーバックス

 

こんなのを見ると、またこの本を買ってみようかという気になってしまう。